東京都|企業向け奨励金
40万円のカスハラ奨励金
申請前に確認したい重要ポイントを、要件・マニュアル・実践的取組・必要書類の順に整理しました。
東京都の「カスタマーハラスメント防止対策推進事業 企業向け奨励金」は、要件を満たす都内中小企業等に40万円が支給される制度です。
まずここに注意
この制度は、「マニュアルを作ればOK」「研修を受ければOK」という単純なものではありません。
- 東京都内で1年以上事業をしていても、12か月分の納税を確認できなければ対象外
- マニュアルを作っていても、東京都が指定する必須項目が不足していればNG
- マニュアルとは別に、必須項目対応表も必要
- 基本方針は作成するだけでなく、社内・社外の両方への周知が必要
- 研修を選ぶ場合も、誰から・どのような形で受けてもよいわけではない
最重要
特に重要なのは、事前エントリーまでにマニュアルの整備・周知と、実践的な取組まで完了している必要があることです。募集開始後に準備を始めると、間に合わない可能性があります。
この記事で確認できること
01 まず確認|申請できる事業者の主な要件
| 確認項目 | 主なポイント |
|---|---|
| 都内での事業期間 | 東京都内で継続して1年以上事業 |
| 納税 | 事業税・都民税について原則12か月分を確認できること |
| 従業員数 | 300人以下。最低人数の条件はなく、0名でも対象となる可能性あり |
| GビズID | GビズIDプライムアカウントが必要 |
| 事前準備 | マニュアル整備・周知・実践的取組まで事前エントリー前に完了 |
東京都内で1年以上事業を行っていますか?
法人の場合は、東京都内に本店登記がある、または東京都内に支店等の事業所があることが必要です。
そのため、本社が神奈川県・埼玉県・千葉県など東京都外であっても、東京都内に支店・営業所・店舗等があれば対象となる可能性があります。
ただし、単に東京都内の住所を持っているだけでは足りません。
| 必要なこと | 確認内容 |
|---|---|
| 継続期間 | 事前エントリー時点で継続して1年以上事業を行っている |
| 事業実態 | 東京都内の事業所で実際に事業活動を行っている |
期間の数え方に注意
都外で10年、20年と事業を続けていても、東京都内の事業所を開設してから1年未満の場合は対象外となります。都外での事業期間を東京都内での事業期間に合算することもできません。
本社が東京都外の場合は追加書類にも注意
登記上の本店が東京都外にあり、東京都内の事業所について支店登記をしていない場合などは、東京都内で実際に事業を行っていることを証明するための資料が必要になります。
| 資料の例 | 注意点 |
|---|---|
| 都内事業所の水道光熱費の請求書・領収書 | 申請する企業名義であること |
| 都内事業所の賃貸借契約書 | 申請する企業名義であること |
支店登記がされている場合には、この追加書類が不要となるケースもあります。
「12か月分の納税」を確認できること
12か月分
事前エントリー時点で、納期が到来している直近決算期について、事業税・都民税の1事業年度分の納税を確認できる必要があります。
対象外になるポイント
12か月分の納税を確認できない場合は対象外です。「決算を1期迎えたから大丈夫」とは限りません。
重要なのは、実際に12か月分の納税を証明できるかどうかです。
また、法人事業税・法人都民税・個人事業税・個人都民税・法人税・所得税・消費税等について、納付義務があるにもかかわらず滞納している場合も申請できません。提出する納税証明書については、未納額や未到来額が「0円」となっているかも確認しておく必要があります。
POINT
「東京都内で1年以上事業をしていること」と「12か月分の納税を確認できること」は、別々の要件として確認することが重要です。
従業員0名でも対象です
この奨励金では、常時雇用する従業員数について300人以下という上限があります。一方で、最低人数の条件は設けられていません。
募集要項上も個人事業主は対象となる事業者に含まれています。「従業員がいないから対象外」と思い込まないよう注意してください。
GビズIDプライムも事前に必要
事前エントリーには、GビズIDプライムアカウントが必要です。国の審査によって発行まで時間がかかる場合があります。
取得が間に合わなくても事前エントリー期限は延長されません。まだ取得していない場合は、募集開始を待たずに準備しておく必要があります。
02 カスハラ対策マニュアル|作っただけでは申請できません
40万円の奨励金で、特に不備が起こりやすいのがカスタマーハラスメント対策マニュアルです。インターネット上のひな形をダウンロードして会社名を入れるだけではなく、募集要項で指定された内容をすべて盛り込む必要があります。
マニュアルに必要な「ア〜キ」の7項目
| 必須項目 | 記載する内容 |
|---|---|
| ア.マニュアル作成の目的 | 「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」への言及、策定の背景、組織的に対応する必要性など。 |
| イ.カスタマーハラスメントの定義 | 自社において、どのような行為をカスタマーハラスメントとして扱うのかを明確にします。 |
| ウ.カスタマーハラスメントに対する基本方針 | 会社としてカスタマーハラスメントにどのような姿勢で対応するのかを定めます。 |
| エ.顧客対応の考え方 | 顧客対応時の心構え、クレーム初期対応、顧客等の権利の尊重などを記載します。 |
| オ.カスタマーハラスメントへの対応 | カスタマーハラスメントに該当するかの判断方法や、発生時の対応フローなどを記載します。 |
| カ.社内体制の整備 | 相談窓口の設置、研修、再発防止など、社内の対応体制を定めます。 |
| キ.企業間取引での対応 | 取引先に対するカスタマーハラスメント防止の基本姿勢や、取引先へのカスタマーハラスメント禁止などを定めます。 |
NG
章タイトルだけを用意したマニュアルでは認められません。各項目について、実際の対応内容まで記載する必要があります。
また、マニュアル内では「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」について言及することが必須です。
「マニュアル必須項目対応表」も必要
マニュアルを作成するだけでは終わりません。別途、「ア〜キの各必須項目が、マニュアルのどのページ・どの章・どの見出しに書かれているか」をまとめたマニュアル必須項目対応表を提出する必要があります。
| 必須項目 | 掲載箇所の例 |
|---|---|
| ア マニュアル作成の目的 | P2 第1章「策定の目的」 |
| イ カスタマーハラスメントの定義 | P3 第2章「カスハラの定義」 |
| ウ 基本方針 | P4 第3章「カスタマーハラスメントに対する基本方針」 |
| エ 顧客対応の考え方 | P6 第4章「顧客対応の基本」 |
よくある不備
マニュアル本文は完成しているのに、この対応表を作成していないという不備にも注意が必要です。
会社名・作成日も必要
| 申請企業名 | マニュアル上で確認できること |
|---|---|
| 作成日または改定日 | マニュアル上で確認できること |
現行の令和8年度募集では、令和7年4月1日以降から事前エントリーまでに作成または改定したマニュアルであることが求められています。
作成しただけではなく「社内周知」まで必要
マニュアル完成後は、事前エントリーまでに社内へ周知する必要があります。しかも、「周知しました」と申告するだけでは足りません。
| 周知方法 | 残しておきたい証拠 |
|---|---|
| 社内掲示 | 掲示した写真、掲示日が分かる資料 |
| 社内メール | 送信画面、メール本文・送信日が確認できるスクリーンショット |
いつ・どのように周知したのかを証明できる資料を残しておく必要があります。
基本方針は「社内だけ」では足りません
マニュアルの中で策定する「カスタマーハラスメントに対する基本方針」は、社内だけでなく社外にも周知する必要があります。
こちらも事前エントリーまでに実施し、いつ・どのような方法で周知したのかを証明する資料を残しておく必要があります。
03 実践的な取組|マニュアルだけでは40万円の対象になりません
マニュアルや基本方針を整備するだけでは足りません。次の3つからいずれか1つの実践的な取組を実施する必要があります。
通話録音装置や録画機能付き監視カメラなどを導入
AIを活用したカスハラ対策システム等を導入
弁護士・社労士等の専門家を活用
共通の重要条件
事前エントリー時点で、導入・実施・必要な周知まで完了していることが重要です。
契約名義にも注意してください
機器、システム、研修などの契約については、申請する企業そのものが契約主体であることが重要です。
法人の場合、代表者個人名義で契約したものや、代表者個人が支払ったものは認められません。
領収書や契約書に記載される企業名・住所なども、申請内容と一致している必要があります。
また、親会社・子会社・グループ企業・役員や社員を兼任している会社・代表者の一定範囲の親族が経営する会社など、関連会社等との取引が対象外となるケースもあります。
取組① 録音・録画環境を整備する場合
例えば、通話録音装置や録画機能付き監視カメラなどを新しく導入する方法です。
対象外
パソコン、タブレット、スマートフォンなど、カスハラ対策以外にも幅広く利用できる汎用機器は対象外です。
| 追加で確認すること | 内容 |
|---|---|
| 契約期間 | リースやサブスクリプション等の場合、原則6か月以上 |
| 運用ルール | 録音・録画設備の運用ルールを策定 |
| 社外周知 | 必要な社外周知を実施 |
| 設置場所 | 都内事業所へ設置 |
取組② AIシステムを導入する場合
AIを利用していれば何でも対象になるわけではありません。
| 必須確認 | 内容 |
|---|---|
| AI活用 | 導入するシステムでAIが活用されていること |
| カスハラ対策 | カスハラ対策に利用できること |
| 確認資料 | パンフレットや公式ホームページ等で上記2点を確認できること |
対象外になりやすい例
- ChatGPTなどの汎用的な生成AIを単体で利用
- 無料トライアル
- 自社開発システム
- 6か月未満の利用契約
- 事前エントリー後の契約
- 都外事業所だけへの導入
取組③ 外部人材を活用する場合
外部の専門家を活用してカスタマーハラスメント対策を行う方法もあります。募集要項では、主な専門家として、弁護士・社会保険労務士・中小企業診断士・労働衛生コンサルタント・産業カウンセラー・キャリアコンサルタントなどが挙げられています。
| 活用方法 | 内容 |
|---|---|
| 継続契約 | 相談対応等を継続的に依頼 |
| スポット契約 | 社内研修等のために専門家と契約 |
| 警備会社 | 警備会社との法人契約 |
社内研修を選ぶ場合は特に注意
単にカスハラ関連のセミナーへ参加すればよいわけではありません。自社が実施するカスタマーハラスメント対策研修として、対象となる専門家と契約する必要があります。
他社が主催する一般向けセミナーへ参加しただけでは対象外です。
| チェック | 研修で必要な対応 |
|---|---|
| □ | 事前エントリー前に専門家と契約 |
| □ | 事前エントリー前に研修を実施 |
| □ | 社内への開催通知・実施周知 |
| □ | 実施日が分かる研修資料または実施報告 |
| □ | 都内事業所を対象とした研修 |
「マニュアルを専門家に作ってもらうだけ」は実践的取組になりません
外部専門家へ、カスハラマニュアルの作成・基本方針の作成・マニュアルの監修だけを依頼しても、「外部人材を活用した実践的な取組」には該当しません。
マニュアル整備とは別に、研修や相談体制の構築など、対象となる実践的な取組を実施する必要があります。
04 申請時の必要書類|法人・個人事業主で違います
支給申請では、指定された必要書類をすべて提出する必要があります。不備や未提出書類がある場合は受付されません。提出書類は原則としてPDF形式で提出し、東京都が指定するファイル名に変更する必要があります。
法人・個人事業主 共通で準備する主な書類
| チェック | 必要書類 |
|---|---|
| □ | 支給申請書(様式第1号) |
| □ | 誓約書(様式第2号) |
| □ | 事業所一覧(様式第1号別紙) |
| □ | 会社案内または会社概要 |
| □ | カスタマーハラスメント対策マニュアル |
| □ | マニュアルを社内周知したことを証明する資料 |
| □ | マニュアル必須項目対応表 |
| □ | カスタマーハラスメントに対する基本方針 |
| □ | 基本方針を社内周知したことを証明する資料 |
| □ | 基本方針を社外周知したことを証明する資料 |
| □ | 実践的な取組を確認できる資料 |
会社概要については、企業名・代表者氏名・所在地・代表者役職・事業内容などが確認できる自社ホームページの写し等でも認められます。
法人
法人の場合に準備する主な書類
- 履歴事項全部証明書
法務局が発行する商業・法人登記簿謄本。募集要項で指定された期間内に発行されたものを使用。 - 法人事業税の納税証明書
原則として直近の1事業年度分。 - 法人都民税の納税証明書
直近1事業年度分。事業税・都民税とも12か月分の納税確認が重要。 - 本店が東京都外の場合
水道光熱費の請求書・領収書、賃貸借契約書など、都内事業実態を証明する資料。 - 法人事業税が0円・非課税の場合
従業員確認書類、事業許可証、他企業との契約書、確定申告書など、募集要項で指定された事業実態確認書類。
個人事業主
個人事業主の場合に準備する主な書類
- 個人事業の開業・廃業等届出書
事前エントリー時点ですでに届出済みであること。 - 代表者本人の住民票
マイナンバーが記載されている場合は黒塗りして提出。 - 個人事業税の納税証明書
個人事業税が課税されている場合。 - 個人事業税が非課税の場合
所得税納税証明書(その1)に加えて、従業員確認書類、事業許可証、他企業との契約書、確定申告書など指定書類。 - 住民税の納税証明書
代表者本人分。居住地と事業所所在地が異なる場合は、双方の区市町村が発行する証明書の2枚が必要。非課税の場合は住民税非課税証明書。
申請前の最終確認
ここまで準備できていますか?
| □ | 都内で1年以上事業 |
| □ | 12か月分の納税確認 |
| □ | GビズIDプライム取得 |
| □ | マニュアル7項目整備 |
| □ | 必須項目対応表作成 |
| □ | マニュアル社内周知 |
| □ | 基本方針を社内周知 |
| □ | 基本方針を社外周知 |
| □ | 実践的取組を実施 |
| □ | 契約・証拠資料を保存 |
無料確認
申請前に「自社の場合はどうなる?」を確認しておきませんか?
ここまで確認して、次の項目が1つでもあれば、下のフォームから会社情報をお送りください。
- 自社がそもそも対象になるのか分からない
- 本社は東京都外だが、都内に店舗・営業所がある
- 従業員0名なので対象外だと思っていた
- 12か月分の納税要件を満たしているか分からない
- すでにマニュアルはあるが、東京都の要件を満たしているか分からない
- 「ア〜キ」の必須項目対応表を作っていない
- 基本方針を社外へ公表していない
- 実践的な取組をまだ実施していない
- どの実践的な取組を選べばよいか分からない
- 研修の契約方法・実施方法が要件を満たすか不安
40万円のカスハラ奨励金について、対象となる可能性と、申請までに不足している準備を確認します。
従業員がいらっしゃる事業者様については、カスハラ奨励金だけでなく、他の東京都奨励金についても対象となる可能性をあわせて確認します。
入力は約1〜2分です
フォームを送信しただけで契約になったり、費用が発生したりすることはありません。
確認の結果、現時点では対象外となる場合も、その旨をご案内します。
▼ あなたの会社が対象になるか無料で確認する ▼